ハタケで、イイコト!

近くにあるからこそ、いつでも楽しめます

2015年から、実家の母親が病気で入退院を繰り返すようになりました。
(追記:2017年3月に他界しました)
父親も、これまた高齢で厄介なことも多く、衣食住の世話など目が放せない状況です。

そんな訳で、ここ数年、泊りがけのレジャーや遠出とはすっかり縁遠くなりましたが、こんな状況でのささやかな楽しみとして、家庭菜園・野菜づくりは続けてきました。

幸いにして、私の住む江戸川区は、東京23区内でもわずかながら農地が残されています。区民農園が借りられれば、身近な場所で土いじりが楽しめる環境です。
多くは、住宅地の中の、小さな畑ですが、今の生活にはなくてはならない、遊び場&癒されスポットを提供してくれます。^^

これからも守り続けたい地元のハタケは、とにかくイイコトづくめです。ヾ(*´∀`*)ノ

●イイコトその1 とれたて野菜を食べられる!

自分で育てた野菜は、マズくても「きっと美味しいはず!」という意識が働きますから、買った野菜よりも余計に味わって食べることになります。
そうすることで、いつも何気なく食べてる「野菜のおいしさ」に気づくことができるのでは?

●イイコトその2 人付き合いの円滑化

ご近所や知り合いに、収穫物の「おすそわけ」で、見返(ry
それよりも、ハタケそのものに興味を持ってもらえるのがウレシイですね。

●イイコトその3 子どもの食育と好き嫌いの解消

姪が、今年小学校5年生になったのですが、いまだに偏食が直りません(ほとんど炭水化物中心の食生活)。
でも、畑での収穫作業は嫌いじゃないようです。そこに付け込み、「自分で収穫したものは、責任もって食べなさい」というキメゼリフ(?)を、大人の口から発することができます。

ま、それが有効な時間も残りわずか・・・ってとこですが^^;

●イイコトその4 子どもが労働に触れる

お手伝いは楽しいですか?

●イイコトその5 学び・ふれあいの場

これは区民農園や体験農園ならではですが、街の中の公共の農園は、社交場でもあります。
情報交換。物々交換。いろいろな人のやり方を学べますし、ハタケがたくさんのコミュニケーションネタを提供してくれます。

プロ顔負けの雨よけハウスを建てちゃう人
とても見栄えよく整然と栽培する人も
いろいろな栽培方法があり、こちらもいろいろ学べます
栽培方法を教えてくれる体験農園。これなら初心者でも失敗なく収穫できます(^o^)v

●イイコトその6 運動不足解消、新陳代謝活性化、早起き

とくに夏の間は、朝涼しいうちに農作業をしても、ちょっと動いただけなのに、ずいぶん汗をかきます。
それに、朝穫りや、人工授粉のように朝でなければできない作業など、なにかと畑は人間に「早起き」を求めます。
仕事に行く前にチョロっと寄れるのも、ご近所畑のメリット。

高い会費を払ってジムに行かなくても、健康的でオマケに収穫物もある生活^^
リターンは無限大ですね。

●イイコトその7 高齢者の元気を保つ

区民農園は、利用者の大半がジイサンバアサンばかりですが、80歳過ぎてるとか信じられないほど、鍬やスコップを握ってガンガンやってる人もたくさんいます。

介護・医療費の削減にも、一役も二役も買っていると思います。

●イイコトその8 食料を自家生産できる

上手く栽培すれば、かなり家計が助かります。
このごろの頻繁な異常気象のせいで、野菜が値上がりすることも度々ですので・・・
(ただし、いつもちゃんと収穫できるとは限らないけどw)

●イイコトその9 都会の中の、憩い&防災の場

西葛西駅から歩いて数分のビルの谷間でがんばる農地

ビルばかりのエリアの中にある広いスペースは、防災の点からも貴重です。

こちらは一之江。郊外ののどかな雰囲気も、わずかに残ってます。
中には、庭園のような凝ったゲートがあったり・・・
やはり街なかに畑があると、癒されます。公園にはない、もっと自然に近い何かがあるというか・・・
北海道の美瑛の畑ほどではないけど、色合いも悪くない

●イイコトその10 産直野菜が身近にある幸せ

お金さえ出せばいろいろ食べられる今の世の中ですが、都会だと、地元の食材を楽しむ機会は非常に限られます。
自分で耕さなくとも、身近に農地があれば、オイシイものがおのずと♪

ちなみに、数年前まで通っていた練馬の体験農園の隣にも、農園レストレンがあって、よく利用させていただきました。

練馬区大泉町にある農園レストラン「La 毛利」さん。
オーナーさん所有の畑がすぐ隣に。体験農園もあります。
大半は、お隣の畑でとれた食材です
こちらは江戸川区。都内にも少なくなった直売所。近くに畑があるからこそ、ですね。
信用商売で成り立つ無人販売。農家のおばあちゃんが管理してるのですが、なかなかオイシイ漬物など掘り出し物もあります。「連絡ノート」もあって、ほのぼのモード満載です^^

時代が移り変わっても、きっとこれからも変わらない、ハタケが提供してくれる価値。
ご近所に農地があると、ほんと、感謝することばかりですね。

「遠くの一反より、近所の一坪」

家族から目が離せなくなった今、このありがたみを、痛いほど味わっています。

(2017年3月最終加筆改稿)

*   *   *

今現在、東京に残り少ないながらも残っている貴重な農地。
黙って見ているだけでは、気づいたときには、マンションや駐車場になってしまうかもしれません。

どうすれば、近くに農のある環境を、将来にわたって残せるのでしょうか?

でも、農地の所有者は、私たち消費者ではありません。
残念ながら都市部では、お金で買えない農地のメリットよりも、経済性の高い施設の建設や事業が、もしくは都会に家を所有したい人たちのニーズが優先されてしまいます。
人が住むならまだしも、投機目的で売買される空き部屋だらけの分譲マンションも多々。

2015年あたりから、ようやく、農政をめぐる方向性が、「都市部の農地は生活環境や防災etc.のメリットを考えて残すべき」ものという扱いに変わってきました。

ただ、お題目はいいけれど、都市部の農地を守るための具体的な1つ1つの政策・制度は、まだ不十分です。
とくに税制は大きな壁です。H27年からは相続税も上がりました。
後継者がいなくて農地の所有が難しくなり、売却せざるをえないケースもあり、都市部の農地は減る一方です。
そこに付け込んでくる、土地を転がすことだけ、建物を建てることだけが目的の不動産やデベロッパーに言いくるめられて、大切な都市部の農地がどんどんなくなっていくような未来は、絶対に御免です。
住民のためにならない都市計画は、もう、いい加減やめて欲しい。

*  *  *

近くにハタケがあって、自分で栽培できる場所がある・・・

自分で農をする権利。
耕す権利。

これって、図書館で本を借りて知的欲求を満たすのと同じように、

人間の文化的で健康的な欲求を満たすための基本的人権

だと思えてなりません。

何とかして、これからも、残り少ない街中のハタケを守っていきたいものです。

*  *  *

ご参考までに、以下の調査結果を見ても、男女とも、2割以上が、園芸や家庭菜園が趣味と答えています。

(参考記事)高齢者の生活習慣に関する調査(2) 
-余暇活動と生きがい感について-
http://www.nagoya-bunri.ac.jp/information/memoir/files/2011_04.pdf

 

 

 

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