【イチゴ】土耕/鉢栽培

イチゴは2012年に区民農園に植え始めて以来、すっかりハマってしまいました。
そのとき株分けした苗も毎年植えて、6年を経過し今に至っています。
それだけ、喜びと悪戦苦闘がありましたので、詳しく記録を残すことにしました。

なお、こちらではすべて、畑での露地栽培と、プランターや鉢での栽培です。
ハウス等の施設ではありません。

■ 基本的なこと ■

イチゴには、春に開花・収穫する一季成りの品種と、年に数回収穫期がある四季成りの品種があります。
ここでは、一季成りについて記載しています(四季成りは、育てたことがないので・・・)

分類 バラ科・オランダイチゴ属
輪作年限 2~3年
作型 7~8月ランナー分け(ポット)→10月定植→5~6月収穫→ランナー分け
(関東での露地栽培の場合)
病気 多いのはウドンコ病。
さあこれから実がなる、って時に出てくるので激怒します。カリグリーンなどの薬剤散布で対処。
おすすめ品種 個人的経験から、畑での土耕なら宝交早生、プランターならトチオトメ(甘い)か宝交早生(丈夫で花付きがいい)が育てやすそうです。特に宝交早生は病気に罹りにくく、そのぶん満足のいく収穫につながると考えます。


▲トチオトメ(左、中が白い)と宝交早生

【栽培工程】

秋に苗を植えて、冬の寒さを経て春先に開花、その1ヵ月後くらいに収穫できます。
収穫が終わった株(親株)から、夏の間に株分けをして、それをまた10月頃に親株として定植します。

開花(4月)
開花(4月)
収穫間近(5月)
5月、収穫間近。コレが全部甘いと思うと騙されますw

●最初に栽培を始める場合は、9~10月頃に苗を購入します。定植適期は10月ごろ。
クラウンが大きい苗のほうが、収量が多くなると言われます。そのほうが、あとで花芽がたくさん出るということかもしれませんが、ま、ご参考程度に。

秋に購入した苗
秋にホームセンターで購入した苗。なるべくなら専門の苗屋さんで

●できれば、10月までに土づくりは済ませておきます。
特別な作業はなく、他の野菜に順じますが、あえて言うなら
①最初に苦土石灰
②1~2週間後に、堆肥、ヨウリン、骨粉もしくはバットグアノ(リン酸補給のため)
③肥料は入れない(少し入れるなら配合肥料をチョットだけ)
④植える畝は若干高めに(水はけ注意)。畝の縁を板で固定すると、畝も崩れにくく、あとの管理がラクです。
⑤プランターの場合の用土ですが、何度も水をくれているうちに、土が固く締まってしまいます。なので、水はけ・通気性のよいものを。通気性の悪い土は病気が出やすいと思います。

定植の頃に肥料をやりすぎると(特にチッ素)、茎や葉の細胞壁が弱い株に育ってしまい、あとあと病気にかかりやすくなります。十分ご注意ください。

●30センチ程度の間隔で定植します。たいてい、苗にはランナー(親株とつながるヘソの尾みたいなもの)を切った跡がついてますが、花房はそれと反対側に多く付く傾向があります。摘果や収穫を考え、作業のしやすい向きに植えましょう。
プランターだとスペースに限りがあるでしょうか、やはり25~30センチはほしいところ。

●定植しても、マルチはまだ敷きません。
花芽ができるためには、冬の低温で休眠させることが必要です。下手にビニールマルチなどを敷いて、地温が保たれてしまうのは、ヨロシクないです。
(土の剥き出しが気になるなら、モミガラなどを表面に撒いてもいいかも。)

●イチゴは寒さに強く、多少霜に当たっても平気ですが、あまり寒いと、葉が寒さ焼けで茶色く枯れます。
根は生きてるので問題ないのですが、できたら不織布などで保温したほうがいいです(しなくても大丈夫でしたが)。

非常に心配なビジュアルですが、春にはにはちゃんと実が成りました。

ちなみに、冬の間は「休眠」しているので、追肥は不要です。

●2月も後半になり暖かくなってきたら、休眠から覚める頃です。そろそろ地温を上げて、生育を促してやります。

こんな感じでマルチを敷いてます

黒マルチを敷くのと併せ、追肥をします。私は、ゆっくり効くタイプの配合肥料を使ってます。リン酸が多いほうが甘くなるというので、骨粉やバットグアノも加えましょう。

●4月になると、花が咲いてきます。たくさん収穫できそうな気がしますが、この花を全部実にしてしまうと、1つ1つの実が小さく、甘味も増えません。
ですので、蕾の頃、まず「摘花」をして、花の数を減らしてやります。この頃、2回めの追肥をしてやります。

●時間があれば、人工授粉をしましょう。乾いた筆で、花をやさしくコチョコチョするだけです。

●花が終わって、うまく受粉できていれば、実が膨らんできます。このとき、摘花に続いて「摘果」をしてやり、最終的な果実の数を絞り込みます。形が悪そうなのを摘み取ればいいです。

見かけによらず、なかなか面倒な作業です

●そろそろ、鳥が狙い始めます。実を食べられないように、ネットを掛けましょう。

●実り始めると、今度はナメクジがやってきます。忌避剤やナメクジトラップなどで対処を。

マジで泣きたくなります orz

●たくさん実をつけても、みんな同時に熟れるわけではありません。こまめに少しずつ、熟れたものから収穫しましょう。
(1回で収穫できる量を考えると、最低でも、5~6株は植えたいところです。とくにプランターは、)

●収穫第一陣が5月の半ば頃、うまくいけば第二陣が6月に入ってから収穫できます。

●収穫が終われば、株分けのためのランナーを伸ばすのですが、そのまま置かずに植え替えも可能です。その場合は、周りの土も一緒にゴッソリと掘り出して、大きめの鉢に植え替えればなんとかなります。

●苗は、親株がツル(ランナー)を伸ばし、やがてランナーの先端に葉と根が出てきます。

ランナーの先の苗の赤ちゃんを、ポットに固定して植え付け
根付いた苗

【品種えらび】

●「甘い」とか「大粒」とかの謳い文句の品種もありますが、失敗するリスクも高いです(つまり、プロ向き)。
「宝交早生」など育てやすい品種のほうが、収量・味ともに満足のいく結果に終わることが多い思います。

【大事なこと】

●一般的な一季成りイチゴは、冬の寒さの間に休眠することで花が咲くようになります。
春になっても花つきや収穫が芳しくないなら、寒さが足りなかった可能性が大。

●開花までの成長で窒素が効きすぎていると、開花の後も栄養成長、つまり枝葉の成長ばかり活発になり、いい実ができません。これは他の果菜類にも当てはまります。

●実ができても、ちっとも甘くない場合もあります。orz
春の開花~収穫時期に株が十分大きくなっていることが、美味しくつくる秘訣だと、本に書いてありました。
つまり・・・

じつは、イチゴの実をおいしくするために大事なのが「光合成」です。
つまり、イチゴが甘くなるための炭水化物は、根から吸い上げられるのではなく、光合成によって葉っぱでつくられるのですね。

実際、1株あたりの葉の合計面積がイチゴの実の大きさや数に比べて多いほど、イチゴの糖度は高くなります。
畑に植えたほうがプランターより美味しかったので、そのせいかもしれません。

「株が十分に成長」

「葉も十分にある」

「光合成が十分にできる」

「イチゴに十分な糖が蓄えられる」

という理屈です。
結局、秋までに、いかに十分な大きさの苗を作れるかも大事ですね。

●おいしい実をとるためには、開花~収穫期の日照時間(特に午前中の日当たり)が大切
これは、
・光合成の効率は午前>午後
・光合成産物(炭水化物、糖)が葉から果実に転流するのは午後(夕方~夜)
という生理的メカニズムのためとのこと。

●気温・・・イチゴがおいしい実を付けるための適温というのもありますが、
露地栽培で4~5月に開花・結実ということなら問題ないと思います。

●実が大きくなる前に、摘花して実の数を減らしたほうが、味も大きさもいい実がなります。

【以下、経験より】

1) 化成肥料は極力控え、有機質肥料を中心に。
2) マルチの下がナメクジの控え室。ナメクジ忌避剤を置くなど工夫を。
3) ぜひとも米ぬかボカシ肥料を自前で準備。特に開花前の追肥に効果大(たぶん^^;)。あと、骨粉やバットグアノもいいと言われます。
4) 初モノはそれほど甘くなくても、2度、3度と収穫するうちに風味が増す(→と思うのだが要確認)。収穫期間を伸ばすため、摘花・摘果を計画的に。陽あたりも必要。
5) 収穫が終わるまでは、伸びてくるランナーはその都度切り取る。
6) 開花は春ですが、それ以前に咲く花もある。ほっといても実らないので、見つけたら摘花を。
7) 冬の間、毎朝氷点下になるようなときは、不織布などで霜よけを。2月も過ぎ暖かくなり始めたら、黒マルチをして地温を上げてやる。

【家庭菜園ではぜひともイチゴはオススメです】

イチゴは、上手くいけば、想像以上にたくさんの実を収穫できます。
おいしい実がとれたときの感激もたまりませんし、思ったほど美味しくなかった・・・という結果も家庭菜園ならでは(ということにしましょう^^;)。
苗づくり~定植~収穫まで長いのが難点ですが、それだけ栽培し甲斐もあり、またプランターでも工夫次第で満足のいく収穫ができます。
(実際、イチゴ農家の多くは、作業効率を考えて、腰の高さくらいに設置したプランターのような栽培槽で育てることが多いのです)

4.5坪の区民農園で、ゆる~く半農半Xしてます